土佐の風土に根付く

私が学生の時に古い住まいをの調査をしてレポートするといった課題があり、私は知人親戚に頼み大豊町の山間部にある茅葺の住まいを見せて頂いきました。建物を調べて作図し、使われている材料等も聞き取りをしながらまとめた記憶があります。

現在の殆んどの住まいは、高性能な機械で造られた工業製品の組み合わせである。それらの住まいに趣きが感じられないのは残念だが、世の流れでろうか、建て主の要求と資金等から判断するといたしかたないことあろうと思う。しかし、それは完成した時が最も美しく、時を重ねる毎にみすぼらしくなり塗装によってごまかして使っているのが現状です。

造った人の想いと古くなっても趣のある素材で造られた美しく愛される建物が多くならないものかと考えます。

土佐杉・桧

高知県は古くから森林資源が豊富であり、特に杉、檜などに代表される土佐材は、古くは、豊臣秀吉から「日本一」とお染み付きをもらうほどの銘木として全国に知られ、さまざまな歴史的建造物に使われ、全国でも知られる銘木となりました。中でも、土佐杉はまっすぐで色目も良いことから、二条城や江戸城の築城に使われていることで知られています。予算の面でも、県市で県内産材を使って建てる木材住宅を対象に補助金が用意されており、利用が促進も進んでいます。

土佐漆喰

漆喰とは、瓦や石材の接着や目地の充填、壁の上塗りなどに使われる、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とした建材です。土佐漆喰は一般的な漆喰とは違い少し黄味がかっているのが特徴で、厚塗りで仕上げられる耐久性の強い漆喰です。土佐漆喰と一般的な漆喰の材料としての大きな違いは「のり」を入れないことです。「のり」を入れないので、一般的な漆喰よりも水に対して強いという特徴が出ます。雨が多い高知県の気候から生れた知恵です。現在ではその堅牢性と仕上がりの美しさが認められ、全国的に施工されています。

土佐和紙

土佐和紙は、天然素材で造られた内装材の1つです。 そのほとんどはビニールクロスにはない植物繊維ならではの性質や、繊維の絡み方による表面の凹凸から様々な表情が生み出されます。湿度が高い時は湿気を吸収し、乾燥したときには放出する調湿性があり、また、独特の繊維が光を乱反射させるため、照明の灯りや日光を柔らかくする調光機能もあります。原料は植物ですから燃えても埋めても有害物質を出さず、人間にも環境にも優しい材料です。

木造軸組構法(在来工法)

木造軸組構法は、建築構造の木構造の構法のひとつです。日本で古くから発達してきた伝統工法を簡略化・発展させた構法で、在来工法とも呼ばれています。

木造枠組壁構法がフレーム状に組まれた木材に構造用合板を打ち付けた壁や床(面材)で支える構造であるのに対し、木造軸組構法では、主に柱や梁といった軸組(線材)で支えるため、設計自由度が比較的高めの工法です。